金沢学院大学

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芸術学部 飯田教授の映像作品「小松 お旅まつり」
小松・さくら園で特別上映会 会場に行けない高齢者のために

 金沢学院大学芸術学部長の飯田栄治教授が撮影した小松市最大の例祭「お旅まつり」の映像を使用した「特別上映会」は10月31日、同市園町の介護老人保健施設さくら園で開かれ、施設の入居者や職員約40人が同市龍助町の子供役者の熱演に見入りました。
 飯田教授は伝統文化継承の一助にと、2014年からライフワークとして「お旅まつり」を映像に残しています。今年も5月に開催された同まつりで、当番町を務めた龍助町の子供歌舞伎を祭り当日だけでなく、町の代々の経験者が子どもたちに台詞や身のこなしを指導する様子や曳山の組み立て段階から撮影し、上映会のために特別編集しました。
 龍助町は赤穂浪士の討ち入り前日譚「土屋主税」をお旅まつりで上演。子供役者たちは、浅野内匠頭の忠臣・大高源吾が討ち入りを明かせず、誤解されたまま親しい人たちに別れを告げ、見事に討ち入りを成功させて誤解を解いたという忠臣蔵外伝を笑いあり涙ありで演じました。
 上映会は龍助町の世話役である「五人衆肝煎」の中出暁史さんらが企画し、中出さんらは飯田教授の映像作品を活用して今後も出張上映に取り組んでいく予定です。この日は中出さんによる「トザイ、トーザイー」から始まる口上と拍子木の音で幕を開け、入居者たちは食い入るように映像を見つめました。中出さんは高齢者施設での上映について、「入居者の方たちはご自身がかつて役者や裏方として参加しただろうし、役者を務めるお子さんやお孫さんを応援していたと思います。会場に行けなくても、映像を見て、懐かしくお旅まつりを思い出してもらいたい」と笑顔を見せました。
 飯田教授は「映像作品として整っていれば、多くの人に祭りの魅力を感じていただけると思う。子供歌舞伎という小松市の伝統文化をいろいろな形で伝えていきたい」と話しています。

食い入るように「お旅まつり」の映像を見つめる入居者=小松市園町のさくら園
今年5月のお旅まつりで「土屋主税」を熱演する龍助町の子供役者
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