金沢学院大学

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NEW芸術学部2年生12人 五箇山和紙を学ぶ
南砺市が伝統産業の課題解決へ企画

 金沢学院大学芸術学部の2年生12人が12月6日、南砺市東中江地区を訪れ、五箇山和紙の歴史や製法について学び、工房での作業を体験しました。今回の体験ツアーは南砺市が本学に協力を求めて地域課題研究として実施したもので、五箇山和紙事業の現状と課題を学生の柔軟な視点から探り、今後の事業展開に生かそうと企画されました。
 学生たちは五箇山和紙の「悠久紙」を作る宮本友信さんの工房を訪ね、紙すきの工程を見学しました。学生たちは、和紙の原料であるクワ科の落葉低木「コウゾ」をほぐして粘液状にしたものを簀桁(すけた)で一枚ずつ丁寧にすく作業を間近で見て、職人技の繊細さを実感しました。
 五箇山和紙は正確な記録は残っていないものの、南北朝時代(14世紀)に南朝の遺臣が五箇山に逃れ、製紙技術を伝えたとされており、長い歴史を持っています。中でも宮本さんの「悠久紙」はコウゾ100%にこだわり、作業工程で使う水も塩素が含まれる水道水を嫌い、山の湧き水を利用するなど原材料から工程まで一切、化学物質を使わない伝統的な製法を守り続けていることが評価され、桂離宮や京都御所、古文書など重要文化財の修復に使われています。
 続いて、学生たちは雪の上に和紙の原料であるコウゾの樹皮を広げ、太陽の光にさらして白くする「雪さらし」を体験しました。畑に降り積もった雪に足を取られながらも、学生たちは宮本さんの指導を受け、コウゾの束を青空に向かってフワッと放り上げるようにして雪の上に広げ、紫外線による自然漂白の仕組みを学びました。原料と製法にこだわった悠久紙は、出来上がり当初は生成り色をしていますが、年月とともにより白く変化していくといいます。
 その後、学生たちは五箇山の道の駅「和紙の里」を訪れ、観光事業としての取り組みや新たな作品・製品を見学。伝統産業と地域振興の関わりについて理解を深める機会となりました。今回の学びや体験について、学生たちはレポートにまとめ、南砺市に提出します。若い視点でとらえた和紙についての意見や提案は、今後の五箇山和紙事業の発展に役立てられる予定です。

五箇山和紙が作られる南砺市東中江地区
悠久紙を作る宮本友信さんから和紙づくりの作業工程について説明を聞く学生たち=南砺市東中江
簀桁(すけた)を使って一枚ずつ丁寧に和紙をすく
コウゾの樹皮をフワッと放り投げるようにして雪の上に広げる「雪さらし」を体験する学生たち
和紙の原料となるコウゾ
五箇山和紙の里でコウゾの樹皮をむく「楮(コウゾ)はぎ」を体験する学生
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