金沢学院大学

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【文学科心理学専攻】
心理演習 地域支援について多胎家庭支援から学ぶ

 心理学専攻の3年次科目である「心理演習」では、心理的な支援を要する方への支援の方法や、支援のあり方について実践的に学びます。カウンセリングの技術を体験的に学ぶために、セラピスト役とクライエント役を演じるロールプレイに取り組むことに加えて、地域の中にある支援についても、支援に直接携わっている方から直接お話を伺うプログラムも取り入れています。
 地域支援に関して、「NPO法人いしかわ多胎ネット」の山岸和美様、青木三枝子様にお越しいただき、「多胎家庭の実情と望まれる支援」についてお話いただきました。山岸さんは双子の、青木さんは三つ子のお母様でもあり、出産や育児の経験を経て、現在はいしかわ多胎ネットとして、ピアサポート活動(プレ多胎ファミリー教室、訪問ピアサポート、付き添いピアサポート)、広報活動、多胎支援普及活動に取り組んでいらっしゃいます。多胎のお子さんを育てるということは、身体的にも精神的にも経済的にも、様々な気持ちが生じます。先が見えないことの辛さ、平等に育てる難しさ(二人のうちどちらを先に抱っこするか、ということも葛藤となる)、比較してしまうことなど、単胎のお子さんを育てることとは、また異なる側面があることを学生たちは学ぶことができました。
 妊婦体験や、赤ちゃんをベビーカーに乗せる体験なども通して、学生たちがふだんの生活から何ができるのかを考える機会になりました。山岸さんと青木さんが最後におっしゃった、多胎児ママがうれしい支援として「ちょっとしたやさしさがとても嬉しい。大切にされることは、子どもをかわいがる力になる。苦労は人の役に立つ」というお言葉は、心理的な支援に専門的に関わる者だけではく、人として社会の中で生きる上でも、大切に心に留めたいものだと感じ入りました。

<学生からの感想>
 今日の授業で一番印象に残ったことは、器具を使った体験学習です。お母さん・妊婦さんは大変であるというイメージは抱いていたものの、実際に器具を装着してみると、腰にかかる負担や、しゃがみにくさ、起立・着席のしづらさなど、自分が抱いていたイメージの何倍も大変で、「子どもを産み、育てる」ということの大変さを身をもって感じました。
 なかでも、腰にかかる負担は相当で、「母は偉大なり」という言葉がありますが、自分はこの体験を通して、「母は“とても”偉大なり」だなと思うようになりました。 山岸さん、青木さん、今回、このような貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

妊婦さんの体験
双子の赤ちゃんの抱っこ体験
いしかわ多胎ネットの山岸様(右)、青木様(左)
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