金沢学院大学

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【経済学部】日本銀行金沢支店長の特別講義開催

 12月12日(火)の2限目に日本銀行金沢支店長の吉濱久悦氏を講師にお迎えし、特別講義を開催しました。テーマは「日本銀行の業務と金融政策」です。日頃から経済学を学び、中央銀行の役割に関心を持っている経済学部・経済情報学部2年生が受講しました。
 講義では大きく、日本銀行の歴史、役割、金融政策についてお話いただきました。まず、日本銀行券の発行に至る歴史、中央銀行である日本銀行設立の経緯の説明から始まりました。金沢を含む北陸地方では、かつて北前船による交易で大きな富を得ていましたが、明治期に鉄道の発達や情報技術の黎明によって衰退。その後、米穀や繊維などを中心とする産業で盛り返しを見せ、それによって金融の必要性から日本銀行金沢支店が開設されたといいます。また、中央銀行の役割については、物価の安定を維持すること、金融システムの安定を確保すること、銀行券を発行して全国津々浦々できちんと流通できるようにすること、効率的で安全な決済システムを運営することを挙げて説明してくださいました。さらには、現在の金融政策の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」にも触れられ、短期金利のみでなく長期金利にも対応をしている旨の説明がありました。この関連で、わが国の物価動向について、現在のコストプッシュ型の物価上昇の中でも輸入物価が落ち着きを見せ始めており、一方で、賃金に影響を与えるサービス物価の上昇がみられるなどの説明がありました。
 質疑応答では学生からの質問に対して、丁寧にご回答いただきました。特別講義を受講した学生は、マクロ経済学などで学ぶ内容ともリンクしていたことから、興味深く真剣に聞き入っていました。日々使っている「お金」について、また、中央銀行である日本銀行の重要な責務について学ぶ貴重な機会となりました。

講義の様子