金沢学院大学

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教員紹介

准教授
文学部 文学科 歴史学専攻

佐々木 聡

SATOSHI SASAKI
専門分野:
中国社会史 宗教文化史 書誌目録学
私が今、考えること

専門は宗教文化史です。最近では、熱狂的な信仰現象よりも、むしろ「縁起物(吉祥物)」など、あまり熱心とは言えない信仰文化に着目しています。かつて研究した「白沢の図」(写真)もその一つです。元々は宗教者がモノノケを払うために用いた呪術書でしたが、後世では嗜好品的な縁起物として流行、浸透していきました。今その社会史的意味を考えています。

MESSAGE
受験生・学生へ一言

私は高校生のとき『封神演義』を読み、中国に興味を持ちました。『封神演義』とは、明代の神魔小説の一つで、殷周交代期を舞台に神仙と妖怪たちの戦いが繰り広げられます。これはもちろん荒唐無稽な小説ですが、それならば、実際の古代社会とは?当時の人々が夢想した神仙の世界とは?という疑問から、大学で東洋史を専攻しました。
 歴史学のテーマは、政治・制度・経済・外交・民族・文化など様々ですが、研究の切っ掛けはちょっとした興味だったりします。ぜひ気軽に歴史学の門を叩いてみて下さい。

学歴
  • 金沢大学 文学部
  • 東北大学大学院 文学研究科(博士課程後期)
学位 博士(文学)
職歴 日本学術振興会特別研究員DC、東北大学専門研究員、東北学院大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD、金沢学院大学非常勤講師、大阪府立大学大学院非常勤講師
専門分野 中国社会史、宗教文化史、書誌目録学
担当科目 東洋史概説、東洋史文献講読、東洋史演習、東洋史特殊講義、プレ卒業研究演習、卒業研究、学修基礎、FSP講座、アジア歴史文化学特論(大学院)
所属学会 北陸史学会、東アジア恠異学会、日本中国学会、日本道教学会、東方学会
私のおすすめの本
  • 『西域:探検の世紀』岩波書店 著者:金子 民雄 2002年
  • 『易の話:『易経』と中国人の思考』講談社 著者:金谷 治 2003年
  • 『中国の論理:歴史から解き明かす』中央公論社 著者:岡本 隆司 2016年
主な研究業績・
作品等
  • 『復元白沢図:古代中国の妖怪と辟邪文化』(白澤社、2017年)
  • 「ベトナム阮朝における天文五行占の受容と禁書政策」(水口幹記編『前近代東アジアの〈術数文化〉』(アジア遊学244、勉誠出版、2020年)
  • 「中国古代・中世の鬼神と自然観:「自然の怪」をめぐる社会史」(山中由里子・山田仁史編『この世のキワ:〈自然〉の内と外(アジア遊学239)』、勉誠出版、2019年)
  • 「異と常:漢魏六朝における祥瑞災異と博物学」(東アジア恠異学会編『怪異学の地平』、臨川書店、2018年)
  • 「《礼緯含文嘉・精魅篇》的辟邪思想与鬼神観」(中国語、『復旦学報(社会科学篇)』2014年・第5期)
現在の主な研究・
制作テーマ等
儒教理念の一つである祥瑞災異思想を背景とした占術文化の研究。特に、中国歴代王朝における統制管理と社会受容の実態、東アジア諸国への伝播状況などについて研究している。
主な社会活動 日本中国学会・第2回次世代シンポジウム委員、日本道教学会・編集幹事(『東方宗教』126号~130号)および幹事(2016年度・2017年度)、そのほか怪異や鬼神をめぐる社会通念についての講演・公開講座など