島清恋愛文学賞
30回目を迎える文学賞選考を主催
島清恋愛文学講座
本学が主催する「島清恋愛文学賞」は、その年に出版された最高の恋愛小説を選ぶ文学賞で、30年の歴史があります。今、文壇の第一線で活躍しているそうそうたる作家たちが受賞してきました。文学部学生を対象とした「島清恋愛文学賞講座」では、その本格的な文学賞の選考に学生が直接関わることができます。これは他の文学賞、大学、いずれにも例を見ない本学独自のものです。
学生は、出版社や自己推薦で寄せられた候補作品を読み込み、教員も交えた会議で熱い議論を戦わせます。第29回は作家の村山由佳さん、桜木紫乃さん、島田雅彦さんらが学生が推薦した3作品の中から受賞作を決定しました。候補作を絞り込む過程で、学生は作品をただ読むだけではなく、その優劣を皆が納得するように語る力が付いていきます。同時に、語ることによって作品の読み方も深まります。推薦作品を選ぶ会議は、読解力と表現力を飛躍的に伸ばす、またとない場となっています。贈呈式には、受賞者、選考委員の作家の方だけでなく、大手出版社の編集者も大勢参列します。贈呈式の後の交流会では、作家や編集者の方々と直接、作品について語り合うことができます。
贈呈式の前には、創作のコツを具体的にアドバイスする創作ワークショップも開催しています。
- 島田 清次郎(しまだせいじろう)
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1899-1930年。現在の石川県白山市(旧美川町)で、回漕業の父常吉と母みつの長男として生まれ、5歳で金沢へ移住。20歳で刊行した「地上」4部作がベストセラーになる。30年に都内の保養院で死去。94年に旧美川町が島清恋愛文学賞を制定。直木賞作家、渡辺淳一氏(2014年死去)が第20回まで選考委員長を務め、主な受賞作家には高樹のぶ子さんや林真理子さんらがいる。
≪受講生の声/文学科日本文学専攻 2年 T.Tさん≫
島清恋愛文学講座は「自分の選んだ本が、受賞するかもしれない」という心躍る講座です。候補となっている作品を読み、私たち学生も、先生も同じ土俵で議論を戦わせ、最終選考にあげる作品を選んでいきます。授業とは違う緊張感がありますが、だからこそ得られる楽しさや充実感は格別です。贈呈式では作家の先生に質問をすることもできます。直接聞く創作の秘密に興奮しました。島清恋愛文学講座は、文学のリアルに触れながら、読み、書き、議論する楽しさを教えてくれる素敵な講座です。
歴代受賞者・受賞作品
- 第29回 吉田修一 『ミス・サンシャイン』
- 第28回 吉川トリコ 『余命一年、男をかう』
- 第27回 山本文緒 『自転しながら公転する』
- 第26回 綿矢りさ 『生のみ生のままで』
- 第25回 三浦しをん 『ののはな通信』
- 第24回 朝倉宏景 『風が吹いたり、花が散ったり』
- 第23回 乙川優三郎 『ロゴスの市』/山崎ナオコーラ 『美しい距離』
- 第22回 吉村萬壱 『臣女』
- 第21回 島本理生 『Red』
- 第20回 林 真理子 『アスクレピオスの愛人』/千早 茜 『あとかた』
- 第19回 桜木紫乃 『ラブレス』
- 第18回 あさのあつこ 『たまゆら』
- 第17回 桐野夏生 『ナニカアル』
- 第16回 村山由佳 『ダブル・ファンタジー』
- 第15回 阿川佐和子 『婚約のあとで』
- 第14回 江國香織 『がらくた』
- 第13回 石田衣良 『眠れぬ真珠』
- 第12回 小手鞠るい 『欲しいのは、あなただけ』
- 第11回 井上荒野 『潤一』
- 第10回 谷村志穂 『海猫』
- 第9回 岩井志麻子 『自由戀愛』
- 第8回 藤堂志津子 『ソング・オブ・サンデー』
- 第7回 阿久 悠 『詩小説』
- 第6回 藤田宜永 『求愛』
- 第5回 小池真理子 『欲望』
- 第4回 野沢 尚 『恋愛時代』
- 第3回 坂東眞砂子 『桜雨』
- 第2回 山本道子 『瑠璃唐草』
- 第1回 高樹のぶ子 『蔦燃』