金沢学院大学

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教員紹介

講師
基礎教育機構

宮永 隆一朗

RYUICHIRO MIYANAGA
専門分野:
アメリカ文学(20世紀後半) クィア・スタディーズ フェミニズム
私が今、考えること

2020年、私たちは、BLM(Black Lives Matter)運動によって「人が集まること」が持つ社会変革の可能性と、ステイホーム/ソーシャル・ディスタンスの要請によってそもそも「人が集まること」がいかに困難かの両方を目の当たりにした。「人が集まる」っていうのは、たぶんそれほど簡単なことではないし、けれど(だから?)単に「人が集まっている」ということはそれ自体で可能性の条件でもある。学びの場であると同時に何より「人が集まる」場である大学で、「人が集まる」ってどういうことなのかもう少し立ち止まって考えてみたい。

MESSAGE
受験生・学生へ一言

『サマーウォーズ』というアニメ映画がある。
一つの舞台はネット上の仮想空間OZ。超巨大SNSであるOZでは、世界中の人がアバターで参加し、ショッピングや行政など生にかかわるあらゆるサービスを受けている。そのOZがAIに乗っ取られ、社会が大混乱に陥ってしまう。そこで大事になるのが、もう一つの舞台である長野県上田市の地縁だ。ライフラインであるSNSが機能しなくなったとき、ローカルな「つながりこそが、ボクらの武器。」(キャッチコピー)になる。
ローカルな繋がりの中で生きるか、それともバズって「グローバルに活躍できる人材」になるか。映画では、そして現実にも、世界はこの二つに分かれているように見える。……ほんとに?
はっきり言って、世界にはこの二つの道しかないなんてことは決してない。この二つの道しかないように思わされていることが、つまりそこから逸れた道の入り口が封鎖されてることが、たぶん僕らにとって一番大きな不幸だ。その道を塞いでいる立て札をどけて、個人主義・能力主義と古い権力関係の間に隠れた道を探索すること。僕が授業でやっているのはそんなことだ。
一緒にどうですか?

学歴 一橋大学(社会学部)
学位 修士(博士課程単位取得)
職歴
  • 2017年~18年 昭和薬科大学非常勤講師
  • 2017年~19年 東京工科大学非常勤講師
  • 2017年~19年 関東学院大学非常勤講師
  • 2017年~20年 明治学院大学非常勤講師
  • 2017年~20年 東京工業大学非常勤講師
  • 2018年~19年 早稲田大学非常勤講師
  • 2018年~20年 一橋大学非常勤講師
専門分野 アメリカ文学(20世紀後半)、クィア・スタディーズ、フェミニズム
担当科目 英米文化論、英米文学研究法、英米文学概論
所属学会  日本アメリカ文学会、日本英文学会、カルチュラルスタディーズ学会
私のおすすめの本
  • シンジア・アルッザほか『99%のためのフェミニズム宣言』(2020年、人文書院)
  • 森山至貴『LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門』(2017年、ちくま書房)
  • ジェイムズ・ボールドウィン『ジョヴァンニの部屋』(和訳1984年、白水社)
主な研究業績
  • 「我々の「子供への愛」イデオロギー : リチャード・パワーズ『さまよえる魂作戦』」『アメリカ文学研究』46 (2010), 33-49.
  • “Absence of Bikini, or the Cold War Boyology in William Golding’s Lord of the Flies.” Critique: Studies in Contemporary Fiction. 58:5 (2017), 498-508.
  • 「(想像できない)ユートピアへ向けて:Arthur C. Clarke, Childhood's End、三島由紀夫『美しい星』、冷戦期反ユートピア主義」『年報カルチュラル・スタディーズ』5 (2017), 59-78.
  • 「It’s About Time――クィア・エイジングの理論へ向けて、または映画『ベンジャミン・バトンの数奇な人生』とポジティヴ・エイジングのイデオロギー」(『年報カルチュラル・スタディーズ』8 (2020), 59-81.
  • 「僕のママはレズじゃないJacqueline Woodson, From the Notebooks of Melanin Sun (1995)における black nationalism とクィアな成長」(『Tinker Bell』66(2021), 67-81). 英語圏児童文学会50周年記念論文佳作入選)
現在の主な研究テーマ クィア・テンポラリティ(特にクィアと「老い」、「生産性」など)
主な社会活動 横浜市男女共同参画センターと協力してダイアナ・コールス著『アリーテ姫の冒険』翻訳監修、また同書復刻記念リーフレットに寄稿するなど